Infiband 規格
InfiniBand(インフィニバンド)は、高速なデータ転送を行うために使われる通信規格です。主にスーパーコンピュータやデータセンターなど、高い帯域幅と低いレイテンシが必要なシステムで使われています。以下に、InfiniBandの規格やケーブルについて簡単に説明します。
InfiniBandの規格
InfiniBandの規格にはいくつかのバージョンがあり、通信速度とケーブルの種類に応じて異なります。各規格はリンクレーン(データを送る経路)の数や通信速度で決まります。
規格 | リンク数 (x) | 速度 (Gbps) | 合計帯域幅 (Gbps) |
---|---|---|---|
SDR (Single Data Rate) | 1 | 2.5 | 2.5 |
4 | 2.5 | 10 | |
8 | 2.5 | 20 | |
DDR (Double Data Rate) | 1 | 5 | 5 |
4 | 5 | 20 | |
8 | 5 | 40 | |
QDR (Quad Data Rate) | 1 | 10 | 10 |
4 | 10 | 40 | |
8 | 10 | 80 | |
FDR (Fourteen Data Rate) | 1 | 14.0625 | 14.0625 |
4 | 14.0625 | 56.25 | |
8 | 14.0625 | 112.5 | |
EDR (Enhanced Data Rate) | 1 | 25 | 25 |
4 | 25 | 100 | |
8 | 25 | 200 | |
HDR (High Data Rate) | 1 | 50 | 50 |
4 | 50 | 200 | |
8 | 50 | 400 | |
NDR (Next Data Rate) | 1 | 100 | 100 |
4 | 100 | 400 | |
8 | 100 | 800 |
InfiniBandの通信帯域幅はリンク数とリンクのデータレートによって増えます。リンク数は一般的にx1、x4、x8、x12などがあります。
InfiniBandケーブルの種類
InfiniBandのケーブルには主に銅線ケーブルと光ファイバーケーブルの2種類があります。それぞれ用途や接続距離に応じて使い分けられます。
- 銅線ケーブル (Copper Cable)
- DAC (Direct Attach Copper): 短距離接続用のパッシブなケーブルで、通常1〜7メートルの距離に使用されます。コストが低いため、短距離のサーバー間接続に向いています。
- 光ファイバーケーブル (Optical Fiber Cable)
- 光ファイバーケーブルは長距離接続に適しており、数十メートルから数キロメートルの距離に対応できます。データセンターなどで、高速で長距離の接続が必要な場合に使われます。
コネクタの種類
InfiniBandケーブルのコネクタには、主にQSFP(Quad Small Form-factor Pluggable)が使われています。
- QSFP: 高速な接続を可能にするインターフェースで、x4リンクを持ち、高い帯域幅が必要な接続に使用されます。
ケーブルの選び方
- 距離: 短距離(1〜7メートル)の場合は銅線ケーブル、長距離の場合は光ファイバーケーブルを選びます。
- 速度: InfiniBandの速度規格(FDR、EDR、HDR、NDR)に応じて対応するケーブルが必要です。
- 帯域幅: リンク数(x1、x4など)によって、使用するケーブルも異なります。
InfiniBandの規格は進化を続けており、高速通信を必要とするデータセンターやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)で広く利用されています。各規格やケーブルの特徴を理解することは、システム設計において重要です。